トップやダフりに悩んでいる方の多くは右手の力に頼ってスイングしています。しかし、肝心の右手の正しい使い方に関しては知識を持っている人が少なく、何となく振っているという人がほとんどでしょう。スイング全体のなかで右手が果たす役割とは何なのか?ゴルフスイングというものは左手主導で振るのが理想的だと言われることがあります。でも、右手は全く使わない方がいいという訳ではありません。今回はゴルフのスイング時に意識すべき右手の使い方のポイントを3つご紹介します。
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左手で振るのが正解!右手は極力使わない!それってホント!?

ゴルフクラブは左手で振っていくのが正解!右手は極力使わないスイングが正しい!そんなことをレッスンプロやゴルフの上手な知人からレッスンされたという人は多いことでしょう。では、右手や右手首が果たす役割とはいったい何なのでしょうか?これは、結論から先に述べると左手はインパクトの時に「ボールが打ち出される方向」を決め、右手はインパクト時にボールに「パワーの強さ」どれくらいにするかを決定する役割を果たす、というのが正しい答えになります。
右利きゴルファーであれば、アドレスの状態からテークバックする時の左手は最初の段階では、アドレス位置からほぼ真っ直ぐ後ろに平行移動させますよね。この時、右手というものは右ひじを引くような感じで少しづつ、肘を体に近い方向へと動かしていきます。逆に左手は体の正面で構えたクラブヘッドをターゲットラインの後方に真横に動かすような感覚でクラブを真横に動かします。この時に右手はタンスの引き出しを開けるようなイメージでひじの位置がやや後方側にシフトさせることが大切です。このような動きでクラブを動かすとヘッドが自然にプレーンをなぞる形で動いていきます。
左右の手がスイング開始直後の段階でどのように動いているかどうかを確認したい場合は常に「体の正面」を意識してください。何が正面に来ているかを意識するかというとそれはグリップエンドです。スイングの最中にグリップエンドが正面から外れて、体の中心よりも外側を向いているということは上半身と下半身が予想以上にバラバラに動いてしまっているということになります。こうなると、インパクト時にフェースが開いた状態や閉じじ過ぎた状態でボールに当たってしまうのでダフリやトップが連発します。
なお、テークバックからダウンスイングと時の両手首というのは、釘をハンマーで「木」に打付けるよう動きでクラブを振っていきます。上下に力強く打ちつける動きになると理想的です。ゴルフスイング時の手首は甲側に折れることなく、まっすぐ縦方向に上下に動かすことが大切です。手首がスイング最中に左右に動くのは「ヒンジング」と呼ばれ、手首がこの動きをしてしまうとボールを上から潰すような、いわゆるダウンブロー軌道で打っていくことが難しくなってしまいます。ヒンジングはダフリやスライスを引き起こす原因となるだけでなく、場合によっては極端なフックや振り遅れの場合はシャンク病に陥ってしまうこともありますので、なるべくクラブは真上に、手首は必ず「縦」の方向を意識して動かすようにして下さい。
ポイント1:右手の使い方の間違いでアウトサイドイン軌道で振ってしまう人の対処法

右利きのゴルファーであれば、右手の使い方で誰もが悩んでしまいやすいポイントのひとつがダウンスイングの時の右手の使い方でしょう。私生活でも使う場面が多い右手というのは利き手であるがゆえに器用である反面、舵取り役である左手の邪魔してしまいがちです。スイング中に必要以上に右手にムダな力が入ってしまうとスイング軌道の乱れにもつながってしまいます。
ダウンスイングの時の右手の使い方の間違いで良く起こるミスといえば、まず右手に必要以上の力が加わってしまう、いわゆるアウトサイドイン軌道でクラブを振ってしまうミスというものが考えられます。クラブが外側からボールに被さるようにおりてくるアウトインサイドイン軌道というのはダウンスイングで右手の上腕部や手の甲側の筋肉を使ってクラブを振り下ろそうとする場合に良く起こります。
このようなミスを改善したい場合、まず見直すべきはグリップです。右利きであれば、右手のグリップを少し被せ気味に握っている人はまずはそれをスクエアな状態に戻します。次に上腕部の力の入れ過ぎを改善する必要がありますが、これについてはクラブを握っている右手の親指と人差し指の間に下に厚紙か何かを挟んで、その上からクラブを握ってボールを打つ練習を試してみて下さい。
はじめは違和感があるかもしれませんが、だんだん慣れてきたころには右手の力が抜けているはずです。なお、グリップと厚紙を試してみて、それでも治らないという方はダウンスイング時の右肘の使い方を見直す必要があるかもしれません。ダウンスイング時の右肘は肘が真下を向き、右脇を絞るようにして相撲の「おっつけ」のような恰好でクラブを振り下ろしてこなければなりませんが、この動きができていない人が非常に多いです。もし色々と試してみてそれでもアウトサイドイン軌道が治らない方は最後にこのチェックポイントを見直してみて下さい。
ポイント2:右手の使い方の間違いでインサイドアウト軌道で振ってしまう人の対処法

アウトサイドイン軌道の場合は以上のポイントを見直すことスイング軌道は正常化していくでしょう。でも逆に、インサイドアウトにクラブを振り下ろしてくるタイプの方には別の処方箋を用意する必要があります。いわゆる右手の使い方を誤って、インサイドアウト軌道でクラブを振り下ろしてくるタイプのゴルファーがこれに当たります。
こういったタイプのゴルファーはまず、右手のグリップを修正していきましょう。この時、真上から見たときに手の甲が見えなくなっているくらい下に潜り込ませて握っていないかどうかチェックしてみて下さい。右手のグリップというのはナックル2つ分くらい、少し上から被せるように握るのが正解です。右手に合わせて左手のグリップがややフック気味、いわゆる左手の甲が見えるくらい被せて握っている場合は右手のグリップに合わせて甲が見えなくなるくらいにやや真っすぐの向きで握るグリップに修正していきます。
インサイドアウト軌道でクラブを振る人はどうしてもインパクトでフェース面が閉じた状態で当たってしまう人が非常に多いです。これはダウンスイングでフェースがどうしても開いて入ってきやすい傾向があるたでそれを補うようにしてインパクトで右手を被せすぎてしまうのです。インパクトの時の右手というものは手の甲が上を向いてしますほどに被せて使うのは間違いです。
こういったことにならないためにもダウンスイング時の右下首というのは、すぐに折れてしまわないように右脇をしっかり絞ってクラブを振り下ろしてくることが大切です。いわゆる「タメ」を作るという動きがこれにあたり、場合によっては右肘をしっかり畳んでおろしてくることでより大きな「タメ」を作ることができます。クラブを振り下ろす時に右手首が折れた状態でのインパクトが改善されれば、自然とインパクト時のフェース面はスクエア化していきます。そうなると、極端なフックや当たりが薄いトップなども出にくくなります。
ポイント3:クラブは立てて使う!ヒンジングには要注意!

ボールをより遠くに、より曲がらないように飛ばすには クラブがスイングプレーン上をなぞるようにして動かす必要があることは皆さんよくご存じのことでしょう。冒頭でもお話したようにスイング中の左手というのはこのスイングプレーンに乗せるための動きを主導するものですが、右手の使い方を間違えると左手の正しい動きさえも阻害してしまうことがあります。
例えば、クラブがトップの位置に収まった時にヘッドが必要以上に頭側に被った状態の位置に収まってしまうタイプのゴルファー。これはいわゆるオーバースイングと呼ばれますが、このようにアップライトに振る「クセ」をお持ちの方というのはおそらく、右手の使い方の誤りと同時にトップで右脇が開いてしまうほどに右肘が「逆くの字型」でクラブを振り上げてしまっている可能性があります。
また、逆にトップでシャフトが地面と限りなく平行に近いような形になる、いわゆる「レイドオフ」気味の位置に収まってしまうタイプのゴルファーは同じくテークバックで右手首の角度が少し寝かせすぎてしまっていたり、右肘をやや絞り過ぎている可能性が十分に考えられます。こういった動きを修正するにはテークバック時の右手首の角度が自分から見て、左右どちらにに傾けるとクラブをオンプレーンに触れるかを考えて、トップを作っていくかを考えて練習必要があります。
アドレスからトップまでの右手首の上下の動きはのことをコッキングと言います。このコッキングの動きはなるべく横方向ではなく縦方向に動した方が良いとされています。逆に手首を横方向に使う動きはヒンジングと呼ばれ、これは最終的には腕を左右に動かす動きにつながっていきます。もし皆さんのスイングがオーバースイング、またはレイドオフ気味になっているというのであれば、見直すべきはこの「ヒンジング」です。
少しありきたりな話なのですが、トップ時の右ひじの角度は野球のボールを振りかぶって投げる時のような90度、そして右手の平はラーメンの出前持ちのような姿になるのが基本です。右手が左手の邪魔をしてオンプレーン軌道の動きを阻害してしまうとボールの方向性が不安定化して、大幅な飛距離ダウンにもつながります。正しい動きを身につけることがゴルフ上達への近道です。