初心者必見!ゴルフのシャフト、「テーパー」と「パラレル」の違いってなに?

ゴルフというスポーツにおいて自分に合ったゴルフクラブに出会えるかどうかは上達のための重要な分かれ道になります。プロでさえ、自分にあった最上のクラブを見つけることが難しいことを考えると技術的な安定感に欠けるアマチュアゴルファーにとっては最適な1本に出合うことはさらに難しい課題であるといえます。例えばシャフトだけでも国内外合わせて数十種類、それにヘッドの種類も合わせると数十種類の組み合わせを想定することが可能でその中から自分にあった最適な1本を導き出していかなければなりません。今回はそういった選択肢を試す際の指標となるクラブのシャフトの「テーパー」と「パラレル」の違いについて一緒に考えてみましょう。

自分の道具はゴルファーの命

野球のバットやグローブ、テニスのラケットなど、各スポーツでその選手の分身や右腕などとも言われる道具がありますが、どのジャンルでも自分に合った道具に出会わなければ本当のハイパフォーマンスを発揮させることはできないでしょう。

プロだけでなくアマチュアのゴルフにおいても同様でやはりプロではないのだからありきたりな道具でなんとかしようとするのではなく、自身のスイングにおけるウィークポイントを補う、または強みに変える自分に最適のゴルフクラブを手に入れることは上達のための早道であり、時に技術論を凌駕するほどに欠かせない重要なファクターとなってくることは間違いありません。

しかし、ゴルフの場合は数多くのあらゆる番手のクラブを1ラウンドで取っ替え引っ変えしなければならないという特質があります。そういった点では野球など他のスポーツとは明らかなゴルフ特有の「違い」があります。また、セットではなく、一つ一つのクラブをそれぞれ自分にあった最適なセッティングに変えていかなければならないという点においては他のスポーツに比べてかなりシビアな問題があり、ゴルフ特有の難しさというのたしかに存在します。

ただし、こういった「難しさ」はコルフの奥深い部分、いわゆる醍醐味でもあり、積極的かつ能動的に楽しむことができれば、自分自身のスイングの特性を深く知ることにも繋がりってきます。そういった感性が鋭くなっていくと自分自身のスイングの癖を最大限に活かせるクラブを探そうとするのが人間の嵯峨というものであり、必然的にそれなりのクラブというものが欲しくなります。

ゴルフクラブというものは様々なものを試すうちに道具に対する知識というものは蓄積されていき、最終的には自分自身の技のレパートリーを増やしていくことにもなりますし、クラブ自体がバロメーターの役割を果たし、自分自身が追い求める理想的なスイングに近づいていくということも多々あります。

ここ最近のトレンドは常に最新のクラブを購入するのでなく、一昔前のモデルを自分なりにカスタムして最適な1本に仕上げていくという道具の使い方が主流になりつつあります。それだけ昔に比べて、中古クラブの市場が拡大、安定供給できるシステムが発展してきたということでもあるのでしょうが、中古クラブだからといって最新のクラブより劣るということはないのであり、大切なことはクラブとそれぞれ個人とのマッチングです。最新クラブが合う人、一昔前の中古クラブモデルがフィットする人、これからは様々な成功事例を自分自身でもリサーチできる能力がゴルファーには必要な素養となっていくでしょう。今回はそういったクラブを探すための指標の1つでもあるゴルフクラブのシャフトの選び方がテーマですが、皆さんはゴルフのシャフトに「テーパー」と「パラレル」という種類が存在することをご存知でしょうか?シャフトの種類の違いはクラブ選びにおいても重要な予備知識の1つですので知っておいて損はないでしょう。

では早速、シャフトの「テーパー」と「パラレル」の違いについて知識を深堀りしていってみましょう。

シャフトの「テーパー」と「パラレル」の基本的な違い

シャフト部分はゴルフクラブの中でも重要なポイントですが、テーパーシャフトとパラレルシャフトにはどんな違いがあるのでしょうか?

まずテーパーシャフトというのはシャフトの先からグリップ方向に向かって径が太くなっていくタイプのシャフトのことです。テーパーシャフトは先端部からグリップ側に向かってシャフト口径がどんどんと太くなっていくという特徴があり、シャフトはそれぞれ番手別に設計されているので長いものから短いものまですべてメーカー公表と同じ重量で使用することができます。

このシャフトはAmerican Fork& Hoe社(トゥルーテンパースポーツの前身)が1928年にステップダウン工法によるスチールシャフトを制作、販売を開始したことで数多くのゴルファーの目に止まり、広く普及していきました。発売を開始した当初からステップ(段差)によりテーパーが付けられ、強度や精度、均一性を飛躍的に向上させたこの画期的なシャフトは21世紀になった今でもこの工法(特許取得)で引き続き制作され続けている完成度の高いシャフトです。プロやトップアマのなかにはインパクト時に手元で感じるこのテーパーシャフトの特有のしなり振動の挙動に病み付きになっている者も多く、タイガー・ウッズ氏もそういったゴルファーのうちの一人です。そのような特性があることから同シャフトは長年のベストセラーアイテムとなっています。

一方のパラレルシャフトというのは先端部からファーストステップまでが均一に同じ太さで整っているシャフトのことを言います。パラレルシャフトの特徴は重量が1つのシングルシャフトであるということ。この点がテーパーシャフトと異なります。

そうなると、クラブというのは全ての番手を同じ長さで統一するというわけにもいきませんので手元に届いた長さが均一なパラレルシャフトを番手ごとにティップ部分をカットして調整を図っていくことになります。そういった特性がパラレルシャフトにはあるため、どうしても長さが短めのショートアイアンは先端カットする部分が増え、ロングアイアンとのティップカットの長さとの間にズレが生じてしまいます。このズレに関してはメーカーサイドは性能が大きく変わることはないとの説明ですが、シャフトの重量がそれぞれ変わってくるわけなので、感覚にはある程度の違いが出てくることは否めません。そういったツアープロの多くはこれまではテーパーシャフトを使っている者が多かったのですが、最近はパラレルシャフトのPGAツアー使用率も上がってきており、インパクト時の安定感という点では口径に統一感があるパラレルシャフトに分があるのかもしれません。

このようにテーパーとパラレルでは構造上の違いではあるものの、それぞれにメリット、デメリットという特徴があるため、最終的には自身の手元で感じる感覚や実践投入の場でどんな球筋でボールをコントロールしていきたいのか、それに合わせて逆算して最適なシャフトを選んで行く必要があるでしょう。

今現在自分が使っているのがテーパーシャフトなのか、パラレルシャフトなのかわからない人は今すぐ調べてみましょう。テーパーシャフトであれば見分けやすい方法はステップの有無です。もしご自身の使っているシャフトが合わないというのであれば、まずはどちらのタイプが合うのか、量販店などで打ち比べしてみてください。どちらのシャフトも製造しているメーカーは国内外合わせて数社ありますので色々なメーカーのものをそれぞれの特性なども踏まえて最適なシャフトを選びを楽しんでみてはいかがでしょうか?

アイアンはテーパーシャフトが主流

多くのメーカーが制作しているテーパーシャフトといえば、アイアン用のシャフトです。国内メーカーでテーパーシャフト制作で有名どころといえば、日本シャフトがあります。日本シャフトのNSシリーズは国内だけでなく、海外でも人気は高く、Sガルシア選手などのトッププロもメジャー大会で使用していたことが話題になったこともありました。同社のNS950シャフトはスチールシャフトならではの強度と硬度を落とさずともこれまでにない軽さを実現したシャフトとして有名になりました。ヘッドスピードがそこまで早くないアマチュアゴルファー、特に女性やシニア層でもスチールシャフトのクラブが使えるということで発売当初は多くのゴルファーのこのシャフトを買い求めました。なお、現在はこのシリーズも進化してNS950シャフト以外にもさらなる改良版モデルが数々登場しています。それでもNS950シャフトは今でも根強い人気があり、独特の弾き感や弾道の高さが忘れられずに今でもカスタムオーダーして純正シャフトからの付け替えを望むゴルファーも多いようです。

自分自身満足いくクラブにするためにはリシャフトが最適の方法ですが、やはりゴルフを極めようとしているプレーヤーにとっては自分の納得いく道具を手に入れることは永遠のテーマでもあり、課題でもあります。

特にアイアンシャフトのテーパーとパラレルの微妙な違いに関しては実際にそれぞれのクラブを利用してみて自分の感触を得るのが一番です。やはりなるべく多くの重さのモデルを色々とを試し振りすることでわかることもありますから、まずは今お使いのクラブ以外よりもっと相性の良いシャフトはないものか、探し続ける姿勢が上達への早道になります。

クラブの試打レンタルシステムがおすすめ

色々なシャフトを試してみるために例えばどのような方法でそれを実現できるでしょうか。まず、一番手っ取り早い方法といえばスポーツ量販店です。量販店の良いところは最新モデルがいち早く店頭に並ぶため、次回作に期待を寄せている方や最新モデルを予約してまで打ちに行ってみたいというゴルファーには最良の選択肢の1つでしょう。

ただし、道具やクラブにあまり関心の無いゴルファーにっとっては少しハードルが高いのが量販店です。特に有名な大手の販売店などはゴルフに詳しかったり経験のあるゴルファー、主に上級者や中級者といった方々にとってはアイテム数も多く色々な商品をじっくり比較検討できるのでパラダイスのような場所であることは間違いありません。

しかし、ゴルフを始めたばかりの初心者など、これからゴルフを始めてみようという方にとってはそもそもどういったシャフトが合うのかの基準定まっていません。そういった方は個々のアイテムについてもう少しじっくりの懇切丁寧に説明をしてもらえる小型のゴルフショップなどに出向いて色々なシャフトを試し打ちした方が良いアイテムに出会える可能性が高いでしょう。

小型店舗のスタッフさんとなると、この道何十年のベテランの方も多く、実際にある程度の実績を持っているクラフトマンさんと出会える可能性も高いので有益なアドバイスを貰えることが多いでしょう。また、中級者や上級者の方も自身がどういう球筋のボールを打ちたいのか、またはコントロールしたいのかを相談することでそういった問題に適切にアプローチするための解決策をクラフトマンが答えてくれるという意味にでとても心強いパートナーになるでしょう。

そんなこんなで今回はアイアンシャフトのテーパーとパラレルの違いについて解説してきましたが、皆さんはどのような感想をお持ちになったでしょうか?すぐに自分に合うシャフトを見つけにいきたいと思った方もいれば、今のままでも大丈夫かな。そんな感想をもった方も多いのはないでしょうか。

最近ではメーカー直営のフィッティングストアや全国の練習場で行われているフィッティングイベントなども人気があるようですのでもし気になった方はメーカーの公式ホームページなどを確認してみても良いでしょう。イベントに派遣されるクラフトマンといえば、ツアープロのカスタマイズ担当者や販売実績のある小売業者さんなどとも出会えるチャンスですのでもし気になった方は積極的に参加してみてください。

なお、最近は気になるクラブを一定期間自宅にお持ち帰りできるゴルフクラブの試打レンタルサービスなどもあるようです。ネットで簡単に予約できるのでスマホなどでサクッと予約しておいて週末に実際にゴルフ場に持ち込んで使って試してみるなんてこともできるようですのでもし購入を決断できなくて迷っているという方はそういった便利なサービスを利用してみるのも1つの方法でしょう。

こうしたサービスを利用してなるべく多くのシャフトに出会えることができれば自分に合ったひったりの1本を見つけるのはそう難しい作業では無いのかもしれません。みなさんが最適な1本を見つられるように願っています。では今回はこのへんで。アディオス。