皆さんは「高反発」ドライバーというクラブの存在をご存じでしょうか?高反発ドライバーは、ルールが適用される前に製造・販売されたクラブで現在は公式競技での使用が禁止されています。ただし、公式競技以外のプライベートゴルフやイベント等で使用する場合は特にルールの干渉を受ける必要もないため、現在でもそういった機会に高反発ドライバーを使用するゴルファーが増えてきています。今回はそんな、ゴルフの高反発ドライバーに関する情報を一気にまとめてみました。
「高反発」と「低反発」、2種類のドライバーが誕生した理由

高反発ドライバー。そんなジャンルのクラブがあることを皆さんはご存じでしょうか?
また、同じドライバーなのになぜ、「高反発」、「低反発」という2種類のジャンルが存在しているのか?ちょっとした疑問を感じている方もこの記事を読んで下さっている方の中にはいらっしゃるかもしれません。
確かに今、「高反発」、「低反発」という2種類のドライバーがメーカー各社によって製造、販売されているのは事実ですし、この2種類のドライバーには、明らかな価格差が生じてしてしまっています。しかし、何故このような2種類のドライバーが市場に出回ることになってしまったのか?
実は、そういった事態を引き起こすきっかけとなったのは、主に日本のゴルフメーカーも含めた国内外のゴルフメーカー各社によって、2000年代初頭に起きた「高反発ドライバー開発競争」であると言われています。
確かに当時のドライバーを振り返ってみると、競争が激化したことによって、ヘッドは急速に大型化し、キャッチコピーもとにかく、遠くへ「飛ぶ」クラブであることを煽る宣伝文句が頻繁に使用されていたようです。
このような積極的なプロモーションの効果もあり、「高反発ドライバー」は飛ぶように売れました。また、この頃から、プロやトップアマもトーナメントの流れを優位に進めたいという一心で高反発ドライバーを使うようになり、そういった流れは全世界に拡大していきました。(タイガーウッズが400ヤード飛ばすといった、都市伝説が巷のゴルファー達の間でささやかれるようになったのも確かこの頃からです。)
高反発ドライバーへの規制

タイガーウッズが全米OPとマスターズで連場し、ゴルフ用品業界全般が活況に沸いていた02年。この年は、ヘッドの大型化やフェースの反発係数の大幅な向上によって、創造以上のロングドライブを飛ばすPGAの選手が相次ぎました。そこで、そういったことを危惧していた、全米ゴルフ協会(USGA)は、03年以降に使用するドライバーの飛距離を抑制することを目的に、フェースの反発係数に制限するルールを設けることを決定しました。(日本はルールの管轄母体がR&Aであったため、2008年からルール適用。)
なお、全米で規制のルールが設けられた背景には、ゴルフコースそのものの楽しみ方が損なわれるという全米ゴルフ場設計者協会の思想が反映されていると言われています。コースによっては、ティークラウンドを後ろに下げるなど、ある程度の対策を講じることによって、高反発ドライバー登場以前の設計時のコースの楽しみ方を取り戻すことに成功したゴルフコースもあるようですが、道具そのものに規制をかけなければ、最大飛距離を伸ばし続けたいという、プレイヤーの心理を抑制することにはならない、またゴルフの面白さを飛距離以外のプレーに求めてほしいという願いが込められているのかもしれません。
ルールが適用された現在、主に市場に流通しているドライバーの大半は「低反発」モデルです。一方、高反発ドライバーは公式競技から引退したシニア世代や純粋に飛ばすゴルフを楽しみたいというミドル層向けに、競技での使用目的ではなく、プライベート専用で使えるクラブとして、国内の中小規模のクラブメーカーより製造、販売されています。
高反発ドライバーの構造

高反発ドライバーはまず、クラブヘッドの容積や大きさやフェース面の反発係数に大きな特徴があります。ルールでは、460cc以上のドライバーは適用外となってしまうため、低反発クラブの場合はこの容積を超えるモデルは基本的には、存在しません。また、フェース面の反発係数に関しても、公式競技用として使用しないに装着されたフェースの反発係数値(COR値)は、0.83が上限であるとルールに定められているため、それ以上の値を示すクラブは全て高反発ドライバーであると言えるでしょう。(※ルール適合前のドライバーは反発係数の強化によるトランポリン効果を利用してボールをより、遠くへとばしていた。)
高反発ドライバーのフェース面は反発係数を上げるための加工が施されているのが一般的です。また、フェース面はその多くが低反発ドライバーに比べて、薄く加工されており、特殊なたわみを付けることでトランポリン効果を引き出すことに成功しています。
高反発ドライバーを使うべきか?否か?

高反発ドライバーでボールを打つと、反発力で打球の初速が驚異的にアップします。そのため、普通のドライバーと比べて20%前後飛距離がアップするといわれており、低反発ドライバーよりもボールを約15~20ヤード程、遠くへ飛ばすことができます。
また、多くの高反発ドライバーのシャフトは軽くて柔らかく、スイングしやすいシャフトが多いことが知られておいます。柔らかいシャフトは振りやすい上にボールのミート率も向上するため、よりボールを飛ばすことが可能です。
高反発ドライバーの使用に関しては、巷のゴルファーの間でも話題に上がることの多いテーマの一つであり、様々な意見があることは確かです。確かに低反発ドライバーでは手に入れることができない「飛距離」を得ることによって、ゴルフがより楽しくなるのであれば、使用することに特に問題があるようには思えません。
ただ、ジュニアゴルファーや20代、30代のゴルファーなど、使わなくとも、そこそこの飛距離が得られるゴルファーが使用することに関しては、フェアではないという観点からも、やや問題があるのではないかと考えられます。最近は、シャフトやバランスの調整によって、飛距離を伸ばすという考え方も徐々に浸透しつつありますので、そういった方は高反発ドライバーの使用以外の方法で飛距離アップを目指してみることをおすすめします。ただし、男性よりも飛距離が圧倒的に劣るという例えば