ゴルフ場用の靴選びのポイントと、押さえておくべきマナーとは?

ゴルフシューズはコースでプレーする際にとても重要なアイテムのひとつです。たかがシューズ、されどシューズ。侮ることなかれ。良い靴選びは意外にもスイング精度の質向上の効果も期待できます。正確なショットを打てるようになりたければ、デザインにこだわることもさることながら、一番プレーしやすい履きやすくて動きやすいシューズを選ぶことも大切です。今回はゴルフシューズの選び方のポイントと守るべきマナーについて解説します。

ゴルフシューズとスニーカーの違い

ゴルフシューズとは何なのか。初心者にはわからないことも多いですが、スニーカーと何が違うの?そう思った方は要注意です。ゴルフシューズはたしかにスニーカーにも似ているけど何かが違います。その違いってなんだと思いますか?

例えば、決定的な違いは靴の裏の底面です。スニーカーは僅かな溝がある程度でずがゴルフシューズはゴム製の鋲が付いています。これはソフトスパイクといわれるものでいわゆる芝生の上を歩いた時にしっかり地面をとらえるために付けられているものです。

一見するとスニーカーのように見えますが、ゴルフ場で見かけるゴルフシューズは実はゴルフ専用に作られているのです。また、普段の靴と履き比べてみると分かるのですが、ゴルフシューズは重量がやや重めに設計されています。ハイスペックなモデルほどその傾向は強く、靴が重いぶん地面を踏み込んだ時に重心が低い位置にきやすくなるのでスイングするときの体が上下動しにくくなります。

最近はファッション性を重心したハイカットタイプやカラフルなデザインのものなど多種多様なモデルが登場しているのでスニーカーとどう違うのか、見分けがつかなくなってきています。ですが、スニーカーはあくまでも街の中をおしゃれに闊歩することを想定したものです。一方でゴルフシューズは芝の上でプレー中に滑らないよう安全面の配慮や正確なショットをするための機能性も考慮して作られています。

特に初心者の方はスニーカーで行きたい気持ちもよく分かりますが、ゴルフ場に向かう際はなるべくゴルフシューズを履いてコースに向かうようにしましょう。

シューズ裏のスパイクの硬さの違い

野球やサッカーなどの他のスポーツで使されているスパイクシューズとゴルフシューズとでは底面に装着されている「鋲」に決定的な違いがあります。

現在のように「ベント芝」が普及する前までは「コーライ芝」という品種が主に使用されていました。そういった時代の芝は根っこが深く痛みに強かったのでゴルフシューズにも鉄や金属が素材の硬い鋲が装着されていました。

しかし、ベント芝が圧倒的に多くなった現在はなるべく芝を痛めつけない配慮がプレーヤー自身に求められるようになったため、ゴルフシューズの裏面に接着されているスパイク鋲はほとんどがゴム製へと切り替わりました。これはもう数十年も前の話です。(現在は金属ピンのスパイクはゴルフ場で使用出来ません。)

そういった背景があることから、地面に刺さる感触を好むゴルファーが未だに多く、ゴム製でも金属鋲が地面に刺さる感触に近い食いつき感が得られるゴム鋲が好まれるという風潮が今でも根強く残っています。

そういったこともあってか、他のスポーツシューズに比べてゴルフシューズは芝の上を歩いた時にグリップの効きを実感できるものが非常に多いです。これを硬さと表現して良いのかは疑問が残りますが、サッカーや野球のスパイク鋲は地面に刺さることを想定して設計されているので確かに地面を踏んだ時の感触は硬いです。一方でゴム鋲は金属鋲よりも軽くて柔らかいので地面を踏んだ時の感触はグッとブレーキがかかるというよりかは粘り気を利用した適度なホールド感があります。使用目的が異なるので2つのシューズを全く同じように比較することはできませんが、ゴルフシューズにはそういった特徴があることは知っておいても損は無いかもしれません。

ノースパイクのゴルフシューズとは

以前はゴルフシューズといえば、足裏にゴム鋲が付いていて摩耗が激しくなってきた時はゴム鋲だけを新しいものに取りえて使用するスパイクタイプが主流でした。ですが、最近はゴム鋲の取り替えが必要ないスパイクレスのゴルフシューズが人気を集めています。スパイクレスシューズは底面に鋲が埋め込まれている訳ではなく、無数に彫り込まれた溝を使って足元をグリップします。交換の面倒さがないので初心者やたまにしかゴルフに行かない月1ゴルファーなどに人気があります。

ただし、スパイクレスシューズにはデメリットもあり、ゴム鋲を交換しなくて良い反面、使えば使うほどに底面が削れていくので長期間使うとグリップ性能は徐々に落ちていきます。そんな時にスパイクタイプはゴム鋲を交換すれば、グリップ力が回復しますがスパイクレスタイプはそれができません。

逆にスパイクレスにはメリットもあり、ゴム鋲交換のための金属素材が底面にないので全体的な重量は軽く、動きやすさという点ではスパイクレスタイプの方が性能は上です。また、値段もものによってはスパイクタイプの半額以下で購入できる場合もあるのでゴルフを始めたばかりの初心者、どれくらい使用するかの見通しが無いという方はまずはスパイクレスシューズを試してみることを強くおすすめします。

シューズのマナーはグリーン上でわかる

スニーカーや運動靴と違ってゴルフシューズはゴルフを快適にプレーするためだけに開発さらたシューズです。ですが、専用のシューズを履いているからといってコース内を走り回ったり、グリーン上で暴れまわったりしていいという訳ではありません。

グリーンの芝は傷ついてしまうと修復に何ヶ月もかかってしまうので他のお客さんやプレー後に利用するメンバーさんなどが大変迷惑を被ることになってしまいます。ゴルフ場の管理者は常にそういったことに気を配っているのでプレーヤー自身も歩き方のマナーを守ってある程度は協力する姿勢がなければなりません。特にゴム製のソフトスパイクは使い始めの馴染んでない状態だと芝を傷つけてしまうことが多々あります。

新品のゴルフシューズを下ろす時は必ず皮にクリームを塗って馴染ませたり、数回練習場などで試し履きしてから実際のコースで使うというのが理想ですが、そういった時間がない場合は歩き方を工夫するようにしましょう。特にマナーに厳しいゴルフ場ではスパイクのチェックを実施しているコースもあります。グリーンというのはとても繊細で芽の向きや長さでボールの転がりが変わってしまうことがあります。芽を傷つけるとそういった不注意で同伴プレイヤーの迷惑にもなってしまうのでグリーン上を歩く時は足元を擦って歩かずに太ももをしっかり上げて歩くように気をつけてください。グリーン上では決して走ったり、はしゃいだりしてはいけません。

ゴルフ場では急な斜面でのプレーや、山道に入ることもあるので雪や雨露で地面が滑る状況でもショットしなければならない場合があります。そういった場合にはやはり適度の動きやすい、だけど軽くてしっかり足元はそれなりに安定する。そういったゴルフシューズを探すようにしましょう。